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休載P4A 【 My happy definition】

第8章 (私の話②)



別に許すとまでは言ったつもりはないのに。背後にいる父を見ようと振り向いたときに、また別の人影が複数入ってきた。いつの間にか、私の家だった空間は、ボロボロに誰かの血痕を残したまま霧のようなものに周囲が包まれた。壁がなくなったようにも感じる。

「ルナさん!!!助けにきたぞ!」
「ルナ大丈夫!?」

この声は悠くんと千枝。2人の声の方を見ると、ほかに陽介くんと雪子もいた。それに場には不釣り合いな青と赤のクマのようなマスコットがいる。

「みんなっ!!」
「ルナさんは、そこの人と一緒に下がっていてくれ。
イザナギっ!!」

よくわからない名前を悠くんが叫ぶと、黒く人型の影がブリキの父へと飛びかかった。続けて、陽介くんたちも姿は違うが、似たような者達に指示を与えている。

「もう大丈夫だかんね!
やっちゃえ、トモエ!!」

トモエと呼ばれた、おそらく黄色い格好をした女性がブリキの父を蹴り飛ばすと、ガサガサっとブリキにモザイクのようなものが現れれた。弱っているのだろうか。

「み、みんな、それ、私のお父さんなの、やめてっ、死んじゃう・・」
「大丈夫クマ、シャドウが暴走しているから、先生はそれを落ち着かせれるクマ!あとはその男がシャドウを受け入れればバッチグークマ!」
「シャドウ?お父さんは、死なないの?」
「そうクマ!」

可愛らしいクマが父は死なないと言った。私よりもこの不思議な空間については悠くんやこのクマさんが詳しいのかもしれない。みんなを信じて、倒れたシャドウと呼ばれる父を見守った。

「認めるって?俺が?コイツを????」

大人しくしていた父が静かにシャドウの父へと近づく。

「オ、オレハ、マダ、カゾク・・」
「馬鹿じゃねーのか!!誰がお前なんか認めるか!!くたばっちまえ!!」
「お父さん!?ひどい!!」


乱暴にシャドウの父は蹴り飛ばされてひっくり返ってしまった。



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