休載P4A 【 My happy definition】
第8章 (私の話②)
そして月日が流れ、私は夜桜のことを忘れようと、口にしないことにした。遼太郎お父さんと千里お母さんは優しく、こんな私を受け入れてくれた。
ただ、落ち着いてから小学校に通い始めるも、同級生になる子たちは直接言ってくることはないが、あの殺人のとこの人だとコソコソ話していた。
商店街へ買い物に出かければ、私のことを嫌そうに睨みつける人、同情しかわいそうにかわいそうにと話しかけてくる人もいる。
私は母を殺してない、ここにいる人たちを気づつけてもいない。
私はお父さんお母さんがいるから幸せだ。
私は幸せ。
なぜ、この人たちはわかってくれないのか、だから私はお母さんと呼び、手を握り、笑った。
私は幸せ。
ちゃんと見てよ。笑ってる、私は笑ってるから幸せ。
家に帰るとお父さんお母さん、そして妹もできた。
だれも私を不幸な子供だといえないでしょう。
ニコニコしていると、学校ではもう昔のことをいう人はいなくなった。ただ、誰かと放課後遊んだりすることはなかった。
「お母さんただいま!菜々子は?」
「おかえりなさい、ルナ。今はお昼寝してるわ」
お日様に包まれ菜々子は気持ちよさそうに眠っている。
私はここにいればいい。これ以上の幸せなんてない。
お父さんもお母さんもケンカしない。
――――気づくと、家にいた。
「ここって」
『おかえり、ルナ』
「なんで、ここにいるの、おとうさん」
意識が途切れる前、テレビに映っていた父とは違い、とても落ち着いている。怖いくらいに。
そして、ここは昔、夜桜ルナが住んでいた家だった。