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休載P4A 【 My happy definition】

第7章 (私の話)






署内で少し話題になっていた。

そりゃそうだ。10年ほど前に起きた最悪な無差別殺人事件。



その事件の加害者はついに施設から出た、という話だ。

その施設はここからだいぶ離れた所にあるようで、戻ってくるなんてことは考えたくない。それに施設の紹介でどこかへ仕事に就くはずだ。




ただでさえ連続逆さ吊り殺人事件を追って、あまり言いたくはないが半端お手上げ状態にも近い。だが絶対に犯人を捕まえてやる。



そんな時にコイツが出てくるとは。




ルナの本当の父親。

本人はどう思っているのか。1度も本人から聞いたことがない。
菜々子とは本当の姉妹のように過ごしているから、問題はないはずだ。



仕事が立て込み自宅に帰れそうにもない。足立が何かやらかし仕事が増えるのも嫌だから、足立にルナの様子を見てもらうことにした。

あのニュースが放送されてから、ルナは電話にもでない。大丈夫なのだろうか、何をやっているのだろうか。






半日過ぎたのか、足立が帰ってきた。


「堂島さん、夜桜が堂島さんの家に来てました」

「なんだって!??おい!なんでそれを早く連絡しないんだ!」

「いやっ、僕もルナちゃんが心配だったので、あいつとっ話し合ったんですよ、そしたら冷静になってまた施設に戻るって」

「ほんとうか??」


あまりにも信じがたい話だ。家に電話してみよう。




「どうなっちまってんだが」


もう今日で何本目なのか、灰皿がどんどん埋まっていく。重いため息とともに濁った煙も流れ出る。乱暴に屑箱にたまった灰を投げ捨てた。



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