休載P4A 【 My happy definition】
第7章 (私の話)
もうそろそろ、時計の針が0時を指すころ。菜々子も悠くんもおそらく眠りについたのだろう。居間のテレビを消し、私も眠ろうと部屋の電気を消した。
雨がざあざあと降っている。
私の父親は堂島遼太郎。私は堂島ルナ。これからも変わらないこの名前。私は堂島。あの人のことはもう忘れよう。関係ない。
しばらく商店街で買い物をすることがなくなったが、まだ覚えているのだろうか、そこの人たちは。
私が商店街を歩けば、指を刺され何か言われるのだろうか。
かわいそう、犯罪者の娘。
悠くんや菜々子、千枝や雪子に陽介くん。みんなどんな顔をするのか。いや、知っているのかもしれない、今回のニュースで思い出したのかもしれない。知っちゃったのかもしれない、私の本当の父がどんなに最低な人だったのかを。
嫌われたくない、今までのように笑っていたい。
ざざっ
「え??」
テレビを見ると、あの人が写っていた。
『俺はぁぁあああ
10年くらい前ぇええええ
ぶっ殺しましたぁああああああ!!!!』
ニタニタと笑う父親だった人が写っている。昼間にあった時の様子もおかしかったが、今流れている映像はもっと不気味におかしい。
『ごめんなしゃいっ!!!!
ごめんなざぁいいいいっ!!!!!!
僕はっ、、僕はっ
とても!!いけないことを!!じでじまいまじだぁああああ』
おかしいくらいに笑っていたかと思うと、次は大泣きしている。
「な、なんで、またテレビに」
テレビ画面に手を伸ばした時には、私は意識を失っていた。
とても冷たいものに包まれて。
『僕はっ、間違ったことをしたのでっ
光を捧げなくてはいけませんっ
光っ!光っ!!!!
僕の残した光っ!!!!』
狂ったように、光と呟き叫びガシャンと写していたビデオカメラを割ってしまい、そのままテレビは暗くなった。