休載P4A 【 My happy definition】
第4章 思い出の暖かさ(アニメの2話)
その後は、ちょうど近くにあった鮫川を見渡せるベンチへと腰かけた。そしてずっと優しく背中を撫でてくれていた。
私が商店街へと足を運ぶと、様々な目線を感じてしまう。それぞれがどんな感情なのか理解したくない。
私が泣き止み落ち着くと、ぽつりぽつりと話してくれた。
私が遠ざけていたものの中に、暖かなものが含まれているとは思ってもいなかった。
「ごめんね、思い出させて。
すごく嫌なことことよね、きっと。
私はすごくあなたのお母さんが好きだったの。
私ね昔、たまに親の手伝いでお店番してたのよ。そこでよくあなたのお母さんが買い物に来てくれて、いつも飴をくれたの。
それがすごく嬉しくってね、今でも覚えてるわ。
次はいつ来てくれるのかなって」
「おかあさん・・」
よく父だった人のためにお酒を買いに行っていたのは覚えている。
「小西先輩のお店に行っていたんですね」
「そうなの。花ちゃんに紹介されて、
ルナちゃんを見たときにすぐに思い出したの。
あっ、あの時のお母さんだって。笑った顔なんてすごく似ているわ」
「そ、そうですかっ」
すごく嬉しかった。お母さんに似ているなんて、言われたことがない。それに笑った顔が似ているなんて。
「小西先輩、このキーホルダーも、
お母さんのことも、ほんとうにっ
ありがとうございます!!」
「よかった、笑顔になってくれて。
それに、よかったら名前で呼んでくれていいのよ?」
「えっと、早紀、先輩」
「うん、ルナちゃん」
早紀先輩・・・
いつの間にか家についていて、玄関で私は泣いていた。
校長先生の言葉が信じられない。