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休載P4A 【 My happy definition】

第4章 思い出の暖かさ(アニメの2話)





家まで送っている間もぐるぐると頭の中がかき混ぜられているように気分が悪かった。





ジュネス八十稲羽店がオープンと同時に私はバイトスタッフとして働き始めた。陽介くんが転校し、都会から来たということもあって少し浮いていた彼。私もなぜか知世と雪子以外とはあまり馴染めていなかったので、すぐに仲良くなった。そこで陽介くんに誘われた。


菜々子のことが心配なのもあって週に3回前後しか入れないが彼はすごく喜んでくれた。

ジュネスは特に八十稲羽商店街の人々にはあまり好かれていなく、そこで買い物をしている人々にも良い印象が薄く、なかなか人が集まっていないとか。





数か月すると陽介くんが早紀先輩のことを紹介してくれた。私は恋愛には疎くて、その時から陽介くんが早紀先輩を思っていたのかはわからない。


「2年の小西早紀。小西酒店って言えばわかるかな?」

「わかります!
私は1年の花村くんと同じクラスの堂島ルナです」


初めて会話した時に、早紀先輩の顔がすこし硬い表情になったのを今でも覚えている。





数か月たち、偶然バイトから帰るタイミングが重なった時のこと。


「あ、小西先輩!お疲れさまです!」

「堂島ちゃん、おつかれ~」


少し歩いていると、突然早紀先輩の歩みが止まった。


「ごめん、先に誤っておくね。いやな気持にさせちゃうかもしれない」


頭にはてなマークを浮かべていると、すぐに話が続けられた。




「堂島ちゃんって、あの夜桜、さん、の娘さんよね?」



私は固まってしまった。

ひそひそと、特に商店街へ出かけたときに言われる苗字だ。


いや、本当の自分の苗字なのだ。



ぶわっと嫌な汗が背中から湧き出てくる。

何を話せばいいのか、全くわからない。






「えっと、あの・・・」

「ううん、私のお店によく、あなたのお母さんが買い物に来てくれていたの。それでね、これ」


そっと何かが握らされた。


「これ、は?」

「忘れ物。きれいなキーホルダーだから、処分もできなくて、ずっと飾っていたんだ。次買い物に来てくれた時に返そうって、親が持ってたんだけどね」


話すにつれて重たくなっていく言葉。だけれど最後まで聞こえた。




ポロポロと涙があふれて、子供のように泣いてしまった。



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