休載P4A 【 My happy definition】
第4章 思い出の暖かさ(アニメの2話)
学校は生徒を体育館に集め、緊急集会が行われることになった。雪子は旅館の手伝いが忙しく、特別に先に帰ることになった。
そして陽介くんが昨日から連絡が取れないでいる早紀先輩を心配している。私もメールを入れてみたが返事がない。いつもなら学校があるのにもかかわらず返事がすぐ来るのに。
「では、今から校長先生からお話がある。
しっかり!聞くように!!」
モロキンが話し終えると、校長先生から信じられない話が話された。小さくぼそぼそした話し声は普段なら聞き取りにくいはずなのだが、はっきりと耳に入り、胸に突き刺さった。
「えーー今日は皆さんに悲しいお知らせがあります。
3年B組の小西早紀さんが今朝早くに遺体が発見されました。」
ぎゅっと胸を締め付けられたような感じになる。
苦しい。
一昨日一緒にジュネスまでバイトに向かった、あの早紀先輩。
陽介くんの話をすると、普段なら澄まして大人っぽい表情がふわっと赤く女の子になる、あの早紀先輩。
なにより夜桜ルナを知っていて受け入れてくれた、あの早紀先輩。
「っ!」
激しい眩暈が襲い、立っているのが困難で膝をついてしまった。悠くんが心配そうに何か声をかけてくれているが、聞こえない。
「ルナさん??」
「ルナっ大丈夫!?先生っ堂島さんがっ」
千枝がすぐに先生を呼びつけてくれたため、すぐに保健室で休むことができた。
私の意識がはっきりした時には、保健室の先生がついていてくれて簡単に私がここまで運ばれてきた経緯を説明してくれた。
眩暈で倒れるなんて初めてだ。すっきりしないまま立ち上がり、ベットの隣にあった椅子の上に私の学校カバンが置いてある。
「里中さんたちが届けてくれたのよ。
あと、集団下校になったので先に帰ってもらったわ。
今日だけ特別に私が堂島さんをお家まで送るね」
「あ、ありがとうございます」
本当は親に迎えに来てもらえるといいのだろうが、この緊急事態だ。お父さんは大忙しだろう。この酷い殺人事件を早く解決してほしい。