休載P4A 【 My happy definition】
第17章 お出かけ(オリジナル)
「イルカさんのジャンプすっごーい!」
「水しぶきが気持ちいい」
「悠、びしょ濡れじゃない!?」
「鳴上君、なかなかやるねぇ、学生が羨ましいよ」
菜々子の希望があって、最前列でイルカのショーを見た私たち。水族館のスタッフが前側の人たちにはシートをかけてくれていたため、そんなに濡れないで終わってホッとしていたのに。はじに座っていた悠はずぶ濡れになっていた。
イルカのショーはとてもおもしろかったのだが、悠の清々しそうな表情が可笑しくてみんなで笑っていた。ショーよりも悠の方が記憶に残ってしまいそう。
「ルナちゃんこれ気になるの?」
「わっ!びっくりした、足立さん驚かさないでくださいよ」
私が見ていたのは、深海生物トンネルという夏限定の展示のポスター。この先すぐにあるようだが、館内は幻想的で薄暗くてもなんともなかったのに目の前の道は足元に薄く明かりがあるだけで、ほぼ真っ暗だった。
「菜々子ちゃん怖がってたから、ここは観てないもんね。
堂島さんたちは鳴上君の着替えのシャツでもないか売店行ってるし、僕らでここ行っちゃう?」
「暗すぎませんか、この道・・」
「あれーールナちゃんも怖いのか」
「そんなことないからっ」
「じゃあ、行こっか」
渋っていた私の手を足立さんに引かれてしまい、海底生物トンネルを見てくることになってしまった。特別くらいのが苦手・怖いっていうわけではないが、突然と暗い道とかに出くわし歩くのはまた違うのではないだろうか・・
「ひゃっ」
「わっ、驚いたな。面白い仕掛けだね」
人のセンサーで反応するのか、暗がりの中に魚の映像が壁に映し出されはじめ、他のお客さん方も驚きの反応を表していた。
「なんかルナちゃんって、もう少し堂々とした子だと思ってたよ。案外怖がりなんだね」
「さっきは足立さんも驚いてたからおあいこさまですよ」
「意地張っちゃって〜」
からかってくる足立さんだが、なんだかんだで繋いでいる手は離さずにいてくれる。私からも少し意地悪に強く握ってみると、さっきとは違う驚いた表情を一瞬だけど見えた気がした。
道なりに少し進めば水槽の展示が広がって、特にクラゲの水槽はキラキラと水中を漂っているようにみえた。
「怖い思いしてよかった!クラゲってこんなに綺麗なんだ」