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休載P4A 【 My happy definition】

第17章 お出かけ(オリジナル)




「ルナちゃん」

水槽を眺めていると、不意に声をかけられ足立さんのほうを向くと、ぐしゃぐしゃと乱暴に撫でられてしまった。


「何するんですかっ」


手櫛で直そうとすると、足立さんの手でそのまま直されてしまった。なんだか恥ずかしいような、よくわからないような。

でもくすぐったくて気持ちよかった。



お母さんに撫でてもらったことはあるが、あっという間に菜々子が来てくれて、私もお母さんと一緒に菜々子を撫でる側になっていた。



「はい、これプレゼントね」
「あ、ありがとうございます。見てみてもいい、かな」
「どーぞ」

中にはストラップが入っていた。小さな星がいくつか連なって、その一つ一つに石が埋められていた。

ちょうどクラゲの水槽の照明がカラフルに変化していくのに合わせて星もキラキラと輝いている。


「すごくきれいっありがとう足立さんっ!」
「喜んでもらえてよかったよ」

笑っている彼はいつもお家で見ている。だけど、今の足立さんの笑顔は寂しそうな笑顔にも感じられた。

なんだか大人な雰囲気だな、と意識してしまい。恥ずかしさが突然と大きくなってしまった。


何も言葉を発しないまま、自然を見つめあっていた。





「ああっ!!そうだ、このストラップは携帯につけますね!って暗くて見えないから、車の中でつけようかな」
「何回びっくりさせるのさ、もー。
ほら、ちょっと貸してね」

器用に足立さんはストラップをつけてくれた。細かな作業が得意なんだなぁ、と思っている間に母の残したキーホルダーと一緒に足立さんからもらったものが揺れている。


「わっ、ありがとうございます。すごく似合ってる」


もともとのキーホルダーに違和感なく合わさっている。


「僕のセンス、いいでしょ。
これはいつもご飯食べさせてもらってるお礼ってことでね」


「ようやく見つけたっ、ルナに足立さん。おじさんが心配しているから戻ろう」
「悠っ・・・わぁ、そのシャツかわいいね」

お魚があちこちにプリントされたシャツを着て現れた悠。ホントに何でも着こなしてしまう。

「ルナの分もあるよ。菜々子とおそろいだ」
「うれしー!帰ったらきてみよ」


「なんだよ、邪魔しやがって」

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