休載P4A 【 My happy definition】
第3章 暖かな香りが花開く頃 (アニメの1話)
4月13日
「鳴上くん、ごめん。
今日は先に家出て、お父さんところに着替え届けてから学校行くね」
「あぁ、大丈夫。気を付けてね」
「うん、お父さんから連絡あって、同僚の人に送ってもらうんだ」
「それなら、安心だ」
「じゃあお先に行ってきますー」
外に出るとちょうど足立さんが来てくれた。鳴上くんはたぶん迷子になるような人ではないので心配する必要はないはず。
「ルナちゃん、おはよーう」
「足立さん、おはようございます。わざわざ寄ってもらって、助かります!」
寝不足なのか、足立さんの顔には隈がぴったりついている。やっぱりお仕事大変なんだ。
「シートベルトしっかりしてね~、これでも僕、お巡りさんなんだから!」
「ふふ、お父さんも助かってますよ、足立さんのおかげできっと」
「ちょっとお兄さん元気出ちゃったし、飛ばしちゃおうかなぁ」
「今、お巡りさんだからって自分で言ったばかりなのにー」
私にとっての足立さんはお父さんの同僚だけれども、お兄さん的な存在でもある。だから、話しているとたまにくだけた話し方になってしまう。彼は気にしていないようなので、私も気にしなくなったけど。
「着いたよー、僕は車で待ってるから、先に届けてきなよ」
「わかりました。ありがとうございます」
警察署の中へ入っていくと、おはようと何人かすれ違う人に挨拶される。みんな忙しいんだな、と返事を返しつつ足早に父親がいるディスクへと向かう。
「おとーさん、お疲れさまです。
はい、頼まれてたの」
「おー、ルナか。足立はちゃんと来たか」
「うん、すぐ来てくれて、学校まで送ってくれるみたい。助かるよ」
ここから歩いて学校は、本当に疲れてしまう。
「ありがとな、がんばってこい」
「お父さんも、がんばって!」
学校にはギリギリに教室へ入ったときには、きちんと鳴上くんは席についていて一安心した。