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御伽アンダンテ【HQ】【裏】

第7章 戯れの花


たまに溢れる吐息が耳に心地いい。
夢中で追っていると、ふとした瞬間、何かを訴えるような視線をしてくる。
「どうした?」
「あっ…ふ…っ、だって、お家の方に……」
「が声を抑えればいい」
もうどうにも止められないこの熱を、抑え込むのは無理だ。
薄いワンピース型の部屋着から伸びる脚に触れると、敏感すぎる肌がひくりと揺れる。
「ひぁっ……むり…っぃ…」
もう一度口を塞いでやると、不安そうな手がきゅっと俺の袖を掴む。
まるで子供のようなその仕草が、きゅんと胸を締め付ける。
守ってやりたいのに、怖がらせ、怯えさせ、やがて自分にまたすがり付いてくるところが見たくなる。
貪欲で穢らわしい欲だ。
混じった唾液が顎を伝っていく。
その淫靡さにまた心奪われる。
消えそうな痕をまた吸うと、華やかにまた赤くなる。
それを一つずつ指でなぞる。
武骨な俺の手が、血管すら透き通しそうな柔肌に伝わらせると、自分が獣になったような錯覚だ。
(実際そうか…… )
僅かな冷静な部分が、そんな風に言葉を交えてくる。
その先の奥深いには抗えず、倒したら崩れそうな身体をそっと横たわらせた。
一瞬恐怖の顔をされるのが、たまらない。
そう思った自分が穢くていやになる。
「…牛島くんっ……」
覚悟を決めたように呼ばれ、目をぎゅっと瞑る姿を見ていると、冷静ではいられなかった。
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