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蒼海の愛し子

第3章 落ちた先は...?


パイルの実...じゃなかった、マルコと名乗る男に付き添われ外に出たシアンはまず何かに襲われた。

「ペリィ、ペリィィ!」(シアン、シアン!)
「うわ、ちょ、ペリッパー落ち着けって!」

襲い掛かってきたのは滝のような涙を流すペリッパー。かつてキャモメだった時に人間に虐められ、衰弱していたところをシアンに救われたペリッパー。彼にとって命の恩人とも言える存在の彼女のことが心配でたまらなかったのだ。

「ごめんな、心配かけたな...」



「おめぇがさっき空から落ちてきたって奴か?」



突然声をかけられ、振り向くと、そこにいたのは立派な白い髭を蓄えた巨大な老人。威圧感が半端ない。

「ん?まぁ、そうだけど。アンタ誰だ?」

でもそんな威圧感を受け流すのがシアンのスゴいところである。

「おめぇ、この俺を知らねぇのか?」
「うん。知らねぇ」

あっけらかんと返すシアンに周りの男達は顔面蒼白になった。

(アイツ、親父を怒らせたんじゃ...)
(あっという間に海の藻屑にされるぞ...?!)

男達は何時白髭の雷が落ちるかとヒヤヒヤしていた。
が...

「グラララララ!」

突然声を上げて笑い出す白髭。ポカンとなる男達とシアン。

「気に入った!どこの誰だか知らねぇが、ここまで威勢のいい小娘は中々いねぇ!おめぇ、名前は?」
「シアンだ。こっちはサニーゴとペリッパー」
「シアンか、いい名前じゃねぇか。だが、そこの二匹は一体何なんだ?見たことねぇが...」
「?ポケモン、見たことねぇのか?」
「ポケモン?」

噛み合わない会話。シアンは一つの仮説に辿り着く。

「なぁ、ここって一体どこなんだ?」
「ここはグランドラインの新世界だ」
「グランドライン...?ここアローラのどっかの海域じゃないのか?」
「アローラ?」

(まさか...)

「うちら、異世界に来ちまったのか?」
「サニ...?」(やっぱり...?)
「ペリィ...?」(本当...?)
「グラララララ、ここが異世界だと、何故そう思う?」
「うちらのいたとこにグランドラインなんて海域も地方もない、第一、ポケモンを知らないって時点でおかしいからな」

真面目に話すシアン。その目に偽りの色がないことを見てとった白髭。
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