第3章 落ちた先は...?
ペリッパーに乗り、船に近付いた時だった。
「火拳!」
突然巨大な炎の塊が襲ってきたのだ。
「なっ!いきなり攻撃とかマジかよ!サニーゴ、パワージェム!ペリッパー、ハイドロポンプ!」
勢いよく出た水流と鉱石の光線が炎を相殺し、
ちゅどばーん
と、派手な爆発を起こした。
「何だったんだいきなり...突然攻撃とかルール違反だろ...」
「サニ...」(本当にね...)
「ペリィ...」(そうだね...)
「後ろががら空きだよい」
ドカッ
「うぐっ?!」
突然後ろから聞こえてきた声に振り向く暇もなく、シアンは背中に強い衝撃を受け、ペリッパーから落ちた。
意識が遠退く中、シアンがぼやける視界で見たものは泣きそうな顔をするサニーゴとペリッパー。そして、
蒼い炎を纏う翼だった。
「...ィ、サニィ...」(...ぇ、シアン...)
(ん...サニーゴ?)
パートナーの泣く声に、シアンは瞼をゆっくりと開けた。目に入ってきたのは、小さく円らな目に大粒の涙を浮かべたサニーゴ。
「サニッ!サニサニ!」(シアン!良かった!)
「サニーゴ...」
ゆっくりとサニーゴを撫でるシアン。視界がはっきりしてくると、部屋のベッドに寝かされていることがわかった。
「ここは...?」
「目が覚めたかよい?」
ふいに男の声がして、シアンは振り向いた。
第一印象は...
「...パイルの実?」
「パイルの実ってなんだよい...」
男はベッドサイドの椅子に腰かけた。
「すまんねぃ、さっきは蹴っちまって...痛くねぇかい?」
「あぁ、別にへーきだけど...つか蹴ったのあんただったんだ」
「いきなり空から落ちてきたかと思えば、見たことのない生き物連れてるから、ついねぃ...」
「は、空って...ちょっと待て、ここどこだ?!」
「落ち着けよい」
取り乱すシアンを男は落ち着かせた。
「親父がおめぇに会いたがってる。まずはそこからだ」