第2章 UBの襲来
「なぁサニーゴ」
「サニ?」(何?)
「これ、落ちてるよな...?」
「サニ」(そだね)
「ごめん、なんか死亡フラグ立てちゃったかもしんねぇ...」
「サニ...」(うん...)
「じゃ、ご一緒に、せーの!」
「あああああああああああああああああ!」
「サニィィィィィィィィィィィィィィィ!」
一人と一匹は見事な悲鳴をあげながら落下していった。
落下していく先にあるのは、蒼い蒼い世界。
少女とポケモン達の冒険の舞台だ。
一方こちらはグランドライン後半、新世界。
蒼くて広い海を進むのは、四皇、白髭率いる白髭海賊団の船、モビー・ディック号。
今日も今日とて平穏にのんびりと航海をしていた。
が、それは突然聞こえてきた悲鳴によって終わりを告げる。
「あああああああああああああああああ!」
「サニィィィィィィィィィィィィィィィ!」
「なんだあれ?!」
「おい、人が落ちてきてるぞ!」
「誰か、マルコ隊長呼んでこい!」
下の甲板では上へ下への大騒ぎ。
「っ、あれ、船か?このままじゃぶつかるな...なら、ペリッパー出てこい!」
先程まで悲鳴をあげていたシアンだったが、下の状況を一瞬で判断し、ペリッパーを出した。
「ふぅ...,とりあえず命の危機は去ったか...ペリッパー、ちょっとあの船んとこ行ってくれねぇ?」
「ペリ」(了解)
シアンの指示に素直に従うペリッパー。
この後の船での出会いが、シアンの未来を大きく変えることになろうとは、シアンも、彼女のポケモン達も、船の人間達も知るよしもなかった。