第7章 邂逅
(今うちらを追ってる気配が白髭の首目当てなら船に戻るのは絶対駄目だ...でも、『あの』手配書のせいで『アイツ』だと信じている奴なら...)
恩人である白髭の皆に迷惑はかけられない。そう思っての判断だった。
そしてやはりシアンの予想は当たっていたようだ。彼女が走り出すと同時に複数の気配もついてくるのだ。
(海軍か海賊か...どっちでも嫌だな......)
走って走って、走り続けて、町を抜け森を抜け、とうとう島の反対側の海岸までやって来た。
勿論、複数の気配もしっかりとついてきていた。
「...ここまで来ればいっか......オイ誰だよ、こそこそこそこそ、顔見せろ」
シアンが問いかければ、木の影や草むらから十数人の男達が飛び出してきた。
「んだよお前ら」
「サニ...」(大勢で...)
臨戦態勢になるシアンとサニーゴ。
「お前だろ、白髭海賊団の魔獣使いってのは」
「その首と魔獣、渡してもらうぞ」
「...うちの家族はお前なんかに渡さねぇし、首もやらねぇよ」
「んだとこのクソガキ!」
「やっちまえ!」
一斉に飛び掛かる男達。
「...サニーゴ、刺キャノン」
シアンが静かに指示を出したその時だった。
「......氷河時代」
低い声と共に、辺りの気温が一気に下がった。