第7章 邂逅
シアン賞金首(?)事件から数日後。
白髭海賊団御一行は縄張りの一つであるとある夏島に来ていた。
「今日の買い出しは1番隊、船番は2番隊だねぃ。お前ら、羽目外すんじゃねえよぃ?ログが貯まるのは明日の昼、それまでに帰ってこなかったら置いてくからそのつもりでねぃ」
「「「「「「「「「「おう!」」」」」」」」」」
「いやっほーい!島だぁ!」
「だからおめぇんとこは船番だよいエース!」
「んがぁ?!」
ぎゃーぎゃーと騒ぐクルー達を他所にシアンは目の前に広がる陸地に目を輝かせていた。
「この世界に来て初めての島だ!」
「シアン、」
「ん?何だマルコ?」
「お前ぇこれで好きなもんでも買ってこい」
渡されたのはずっしりと重い袋。
「マルコ、これ」
「小遣いってやつだねぃ」
「え、でも...」
「お前ぇ服とかろくに持ってねぇだろい?オヤジからだ、大切に使えよぃ?」
「...うん、ありがとマルコ!」
「礼ならオヤジに言えよい」
「おう!行こうサニーゴ!」
「サニ!」
勢いよく駆け出していくシアンをマルコは暖かい目で見つめていた。
しかし、その暖かい目が鋭くなる事態が発生する。
「マルコ隊長!大変です!」
「どうした」
「い、今、この島に......」
「何?!」
慌てて駆け寄ってきた隊員からの知らせにマルコが顔面を蒼白にさせたが時既に遅し。
シアンどころかほとんどのクルーが上陸した後だった。
「ヤベェよぃ...」
マルコは慌てて変化すると、島へと飛び立った。
「スッゲー、色んなもん売ってるな」
一方その頃、何やら緊急事態が発生してるとは露知らずのシアン&サニーゴ。
露店を冷やかすなり必要最低限の服を買ったり買い食いしたり。お小遣いをくれた白髭へのお土産を選んだり。
「............」
しかし、若干纏う空気がピリピリしている。先程から、幾つもの視線を感じるのだ。それも敵意のこもった複数の。
「...サニーゴ、」
「サニ」(うん)
頭の上に乗っているサニーゴと目線を合わせ、シアンは走り出した。
走る方角はモビーと逆方向。