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蒼海の愛し子

第7章 邂逅


「...は?」
「サニャ...?」(ふぇ...?)

シアンとサニーゴは絶句していた。
だって、いつの間にか大勢いた男達は自分達以外氷付けになっているのだから。

「...んだこれ、絶対零度かよ」
「んあ~、お嬢ちゃん無事かい?」

声のした方へ目を向ければ、そこには異様な程ののっぽな男が一人。着ているスーツは上等品のようだが、男の纏うだらけたような雰囲気がそれを緩和させている。

「おん。ありがと、オッサン」
「初対面で俺をオッサン呼ばわりってやるねえお嬢ちゃん。今夜ヒマ?」
「悪ぃけど予定あるから無理」
「あらら~、フラれちゃったねぇ」

男はボリボリと頭をかきながら地べたに胡座をかいて座った。

「なぁお嬢ちゃん?」
「ん?なんだオッサン」
「......君さ、『トリトン』っていう男の子知ってる?」

男の纏う雰囲気が鋭くなった。

「...知ってたらどーすんだよ」
「別に、ただ」
「っ?!」

一気に気温が下がった。地面や木々は所々氷付いている。

(まさかこのオッサン、マルコやエースと同じ能力者か?)

「不死鳥マルコに火拳のエース...やっぱり、白髭にいるっていうのは事実だったか」
「?!」

自分の考えが読み取られていたことに驚愕を隠せないシアン。

「あの手配書に関してはこちらのミスでもあるが、あの子と繋がりがある以上、見過ごしては置けねぇな」
「...オッサン、アンタ何者だ?まさか、」
「そうだ。俺は海軍の人間だ」

男は立ちあがり、冷ややかな目でシアンを見下ろした。

「俺はクザン。海軍大将の通称『青雉』だ」

男――クザンの纏う冷気が鋭くなった。
しかし...

「ふーん...大将ってお偉いさんなのか?オッサンそーゆーふーには見えねぇけど」
「サニャ!」(アホ!)
「...あらら~トリトン君と同じこと言ってる」

シアンの発言にツッコミをいれるサニーゴとずっこけるクザン。
一触即発の空気が若干緩和された瞬間だった。

「ん?」
「サニ?」(え?)
「お?」

二人と一匹の上にかかる黒い影。それは巨大な鳥だった。

「こいつは...」
「え?マルコ?」
「サニサニ?」(何でここに?)

鳥はシアンの両肩を掴むと一気に飛び上がった。勿論、サニーゴはしっかりとシアンの頭にしがみついている。
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