第6章 VS海軍
「な...」
目の前には辛うじて被弾しなかった将校が。
「先に手ぇ出してきたんはそっちだろ?だから正当防衛って奴だ」
将校の周りには、痛みに声を上げる海兵達。
「さっさと帰ることをオススメするよ。でないと、うちの心配性達が何しでかすかわかんねぇからな...行くぞ、サニーゴ、ペリッパー」
「く、そ...待てっ!」
悔しそうな将校を余所に、シアンは軍艦を後にした。
...その後、帰還したモビーにて『遅い』と説教を受けながらも海軍を撃退したということで宴になろうとは、気づいていたのはサニーゴだけだったのかもしれない。
しかしその翌日、とんでもないニュースが白髭海賊団に走る。
朝。
「なんだこれぇぇぇぇ?!」
サッチの絶叫が今日の目覚まし時計代わり。
「...うっせぇ」
最高に機嫌の悪いシアンが何時もの如くペリッパーを呼ぼうとした時だった。
「シアン、大変だよい!」
血相を変えたマルコがシアンの元へ駆け寄ってきた。
「...何だ?」
「(怖っ)シアン、これを」
「あ゛?......はぁ?!」
一瞬でシアンの目が覚めた。
マルコが見せたもの、それは...
「これ...手配書、か?」
シアンの顔写真が載せられている手配書だった。
手配書には『魔獣使い 懸賞金50000000ベリー ALIVEONLY』と書かれている。が...
「名前が違うんだよい」
名前がシアンの物ではなかったのだ。
しかも、
「それにコイツ、シアンみてぇだけどちょっと違うんだよい」
手配書の顔写真がシアンと若干違うのだ。
「...やっぱり」
「?何が『やっぱり』なんだよい?」
「あの将校、うちが海軍にいたって言ってたんだ...多分、この手配書の奴と勘違いしたんだと思う」
「まぁそっくりだしねぃ...つーかコイツ、一体誰なんだよぃ?」
「コイツは、――――、」
シアンの言葉は海風にかき消された。