第6章 VS海軍
「き、貴様、何故白髭海賊団にいる?!」
「?何故って...成り行き?」
「何...?!突然海軍の下を去ったと思えば、まさか海賊に荷担しているとは...」
「は?」
シアンは、コイツ他の誰かと勘違いしてんじゃねぇかと思い始めた。
「生憎だが、うちは海軍で世話になった記憶ねぇんだけど」
「嘘を言うな!その生物が動かぬ証拠だ!」
「え...?」
「その生物」と、将校が指差したのは、シアンの頭の上にいるサニーゴ。
(ちょっとまて...うちらはこの世界に来てから関わってるのは白髭の皆とシャンクス達だけの筈だ......まさか!)
「なぁ...その海軍で世話になった奴ってさぁ、オレンジ色の鼬みたいなポケモン連れてる奴?」
「ぽけもん?...そうだ」
(マジか...だとしたら、アイツもこの世界のどっかに居るってことか?)
どうやら、目の前の将校が勘違いしている人物に心当たりがあるらしい。
「...大将及び元帥から見つけ次第連れ戻せと命令されている。大人しく我らと共に来い。そうすれば、白髭の下にいたことは隠しといてやる」
「...拒否したらどうする?」
「何?!」
将校の言葉に、シアンは口角を上げた。
「生憎、こっちは海軍になんて用はねぇの。なぁにが『隠しといてやる』だ。自分の生きていたい場所にいて何が悪い。海軍にいた奴が誰だかしんねぇけど、んな上から目線の奴の言うことなんて聞きたかないね...ペリッパー!」
「ペリ!」(了解!)
シアンが右腕を差し出すと、空中で待機していたペリッパーがその腕にとまった。
「さっさと帰ってくれる?そうしてくれれば、こっちも手出ししねぇよ」
「貴様...!総員、撃て!」
シアンの言葉に、将校は我慢ならなかったらしい。
何発もの銃弾がシアン目掛けて発砲される。
「先に手ぇ出してきたんは相手。なら、正当防衛だよな」
シアンはぽつりと呟いた。
「...サニーゴ、ミラーコート」
「サニ!」(了解!)
サニーゴが展開させたベールが一瞬にしてシアンも包む。
そして...
「ギャァァァ!」
「痛ぇ!」
シアン達に向けて発砲された銃弾はベールに跳ね返され、海兵達に次々と被弾した。