第6章 VS海軍
本日も快晴なり。
モビー・ディック号は今日も新世界の海を進む。
「今日もいい天気だな~」
「そうだな~」
「サニ~」(そだね~)
「キューン」(そうだね~)
シアンはラプラスの背に乗り、何時ものようにサニーゴを頭に乗っけている。そしてシアンの隣にはサッチが。
二人して釣りの真っ最中なのだ。
...え?何で釣りなんてしてるのかって?
それは、
「おーい、シアンー、サッチー、釣れたかー?」
「んなすぐ釣れねぇよ、エース!」
「エース、サボってんじゃねぇよい!」
「んがぁ?!」
この白髭海賊団の末っ子の食欲が、備蓄を尽く減らしてしまったからだ。
最初はエースに釣りをさせていたが、万が一海に落ちても誰も助けられないので、代わりにシアンとサッチが食料確保に勤しんでいるのだ。
因みに、エースは罰として、一人で甲板掃除である。
「ぶぶい~」(シアン~)
「ん?どーしたブイゼル?魚獲れたか?」
「ぶい」(うん)
海面から顔を出したブイゼルは魚を数匹捕まえていたようだ。
「お、よく頑張ったなブイゼル。凄いぞ」
(同じ末っ子でもこうも違うとはな...Byサッチ)
なんて、末っ子の頭を撫で繰り回しながら誉めるシアン。
その時だった。
「敵襲!敵襲!」
「何?!」
「敵襲って、相手は何処だ?!」
甲板から聞こえた物騒な単語に顔を強張らせる二人。
「シアン、サッチ、すぐ戻れ!」
「マルコ、相手は何処だ?!」
「海軍だよい!」
「海軍ってうちらの敵?」
「そうだ。シアン、すぐ戻るぞ」
「おう。ブイゼル、ラプラス戻れ、サニーゴ、サイコキネシスでうちらを甲板に上げてくれ」
「サニ!」(了解!)
甲板に上がれば、皆殺気立っている。
(ブイゼル戻しといて良かったな...)
「マルコ、状況は?」
「軍艦が一隻、乗ってるのは知らねぇ将校だねぃ」
「この白髭海賊団に喧嘩売るなんざ、若気の至りってやつかねぇ」
隊長二人が話し込む間にも、軍艦は近づいて来る。
そして、
ヒューン
大砲が一発放たれた。
「さぁ、一狩り行こうかねぃ」
その時だった。
「ペリッパー、エアスラッシュ!」
「へ?」
どっかーん
何処からか飛んできた風の刃が砲弾に直撃し、爆発を起こした。