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蒼海の愛し子

第4章 宴


「おぉ!」
「こりゃすげぇ...」

「もういっちょ!ブイゼル、連続で空に向かって水の波動!アシレーヌ、水の波動に冷凍ビーム!」

空に打ち上がった水球に的確に冷気をまとった光線が当てられる。

「フィニッシュだ!ペリッパー、エアスラッシュ!」

風の斬撃が凍った水球に当てられ、そしてまた、


ぱりぃん!


と、涼しげな音をたてて弾けた。

「すげぇ!ポケモンってこんなこと出来んのか!」

興奮した口調のエースがキラキラした目でシアンに詰め寄った。

「ん?まぁ練習しねぇと上手く出来ないけど」
「練習?お前ら、このパフォーマンスってのを生業にしてんのか?」
「ちげぇよ。うちらの仕事はポケモンレスキュー。海の平和を守んのが仕事だ」
「何か海軍みてぇだな」
「海軍?」
「俺達海賊を取り締まる、正義を振り翳す奴らの事だ」
「へぇ~」


「...ん?海賊?」


「...今、『俺達海賊』って言ったか?」
「あぁ、言ったけど」



「ええぇぇぇぇ!」



船上にシアンの絶叫が響き渡った。

「お前ら、海賊だったのか?!」
「何だシアン、おめぇ知らなかったのかよい?」
「だってさマルコ、うちのいた世界の海賊と全然違うし、それにみんな悪い奴らには見えないし」
「...は?」

シアンの言葉に目が点になるマルコ。
そして、


「「「「あっははははははは!」」」」


全員笑い出した。

「おい、うち何か可笑しなこと言ったか?」
「いや、だってなぁ」
「海賊に見えないって...」
「シアン、おめぇ俺達が何だと思ってたんだ?」
「ん?旅芸人の一座。無茶苦茶賑やかだし」


「「「「ぎゃっはははははは!」」」」


またまた大笑いする白髭海賊団。

「ひ、ひぃ...こんな笑ったん久しぶりだ...」
「お、俺もだぜ...」
「旅芸人って...ぷっ、くくくっ」
「俺達が海賊だとわかればシアン、おめぇこの船を降りるのか?」
「いんや。みんないい奴ばっかだし、飯は旨いし、降りる理由なんて何処にもねぇ。つか、ホントにお前らが悪い奴だったらとっくにうちらのこと殺すなりなんなりしてるだろ?」

(成る程...)

「つー訳で、改めて宜しくな!」
「「「「おう!」」」」

白髭海賊団に、期間限定の妹が出来ました。
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