第4章 宴
そしてその夜。
「野郎共、新しい家族だ!」
「「「「おおぉぉ!!!!」」」」
白髭の合図と共に始まる賑やかな宴。
「おぅシアン、食ってるかい?」
「あぁ、食ってるよ、パイルの実、じゃなくてえっと...」
「マルコだよい」
「そーだった、マルコ」
シアンに隣に来たのは最初にシアンを気絶させた張本人であるマルコ。
「ところで、さっきから言ってるパイルの実って何だよい?」
「パイルの実?えーっと...あぁ、これだ」
シアンは腰のウエストポーチから一つの木の実を取り出した。
「これがパイルの実だ」
「っ、これって...」
「ほぼパイナップルじゃねぇか...」
近くにいたリーゼントとそばかすが笑いを堪えたような声で言った。
「ほぉ...サッチ、エース」
「「ギクッ!!」」
「何、笑ってんだよい」
「い、いやぁマルコさん...」
「落ち着け、な?」
「何言ってんだよい。俺は十分落ち着いてるよい」
「いや、ちょ、ま、」
「問答無用だよい!」
「「ギャアァァァァ!!」」
「パイルの実、酸っぱ辛くて旨いのに...」
シアンの呟きは、おっかけっこをする3人には届かなかった。
追い駆けっこを始めたマルコの次にやって来たのは、猫目の少年。
「俺ハルタって言うんだ、よろしくな!」
「ハルタか、うちはシアン、よろしく」
「なぁシアンのポケモンって奴、他にも居ないのか?」
「ん?あぁいるけど」
「見せてくれよ!」
「おう、いいぜ!」
シアンは立ち上がると、
「みんな、ちょっと遅くなっちまったけど、うちの家族を紹介するな!みんな出てこい!」
と言って、6個のモンスターボールを放り投げた。
そして出てきたのは、
「サニッ」
「キュワァ~」
「レーヌ!」
「ギャア~!」
「...ぶぃ~」
「ペリィィ!」
「ってコラ、ペリッパー止めろ!」
ボールから出た瞬間に攻撃しようとしたペリッパーを慌てて止めるシアン。