第5章 どうにでもなれ
蓮side
「郁翔・・・?」
その後も素早い動きで周りの奴らも片付けていく。
今まで見たことの無い目をしていた。
獲物を捕らえる狼のようにも見えた。
相手は銃を持っているにも関わらず、傷付けることなく戦っている。
その強さに呆気に取られ、開いた口が閉じなかった。
全員片付き、俺達の方に向かってくる。
「蓮様を離してください。」
「金はどこだ。」
「そんなものはありません。」
「は?坊っちゃんがどうなってもいいのか?」
後ろから俺を拘束し、こめかみに銃口を押し当てる。
「それは困ります。・・・しかし、お金は渡せません。そこで提案があります。」
「あ?」
「今回の3億、俺が払います。両親の分に追加してください。」
「・・・いいだろう。」
3億なんて無理だ。
「駄目だ、郁翔。」
「蓮様?」
「・・・もうとっくの前に借金は返済済みだ。」
「・・・は?」