第6章 規則なんて・・・
蓮side
朝食を口に運びながら郁翔と話す。
「お前さ、一人称『俺』と『私』どっちなんだよ。」
「使い分けてます。尊敬している方に対しては『私』です。」
「ふーん・・・『俺』にしろよ。距離遠く感じるから。」
「いえ、でも」
「命令だ。」
「もう、すぐそうやって・・・わかりました、蓮様の前だけにします。」
俺の荷物を持ったまま郁翔が諦めて肩を落とす。
「あと、もう一個。」
「なんですか?」
「俺と付き合え。」
「は?」
「命令だ!!」
「いくら命令でもそれは聞けません。それに貴方はまだ未成年です。俺、犯罪になりますから。」
「んだよ。執事のくせに。」
「じゃあ、貴方は私が警察に捕まってもいいと?」
「それは・・・」
困る。
非常に困る。
やっぱ駄目か。
落ち込んでいると、郁翔が俺に近づき顎に手を添える。
そして、優しくキスをした。
「っ!?!?////」
「なんですか?その反応?(笑)」
「だってお前が急に!////」
「本当に貴方って子供ですね。可愛いですよ?(笑)」
「嬉しくねぇよ!////」
「・・・蓮様がもう少し大きくなったら考えます。今はまだこれまでにしておきましょう。」
大きくなったら・・・
俺と付き合ってくれるのか?
「ほんとか?!」
「はい、大人になったらですよ?」
「うっしゃ!」
早く大きくなりたい。
将来が楽しみだー!
「あ、言っときますが、『考えておく』ですからね。付き合うとは言ってません。」
「な!?お前騙したな!キスまでしやがって!」
「騙してませんよ(笑)だって・・・
この先は立ち入り禁止の関係なんですから。」
郁翔が口元に人差し指を当て、はにかんだ。
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