• テキストサイズ

その先立ち入り禁止!【R18】

第5章 どうにでもなれ


郁翔side

久しぶりに西園寺家に来た。
一通の手紙が届いたからだ。

『大事な坊っちゃんを返して欲しければ、身代金3億を用意しろ。櫻木郁翔は例の場所に金を持ってこい。』

その手紙は西園寺家にも届いていたようだ。

「失礼します!」

「郁翔君!これはどういう事だ!」

西園寺様が手紙を持って怒鳴っている。
普段、あまり怒る人ではない。

「申し訳ございません。」

「謝罪などどうでもいい!説明してくれ!息子はどうなるんだ!」

「・・・はい、全てお話します。」




俺の家は元々貧乏で親は多額の借金を抱えていた。
両親とも一生懸命働いていたが、祖父がさらに借金を残したまま亡くなってしまい、倍の借金を背負うことになった。
なんとかして返そうと両親はさらに仕事を増やしたが、過労で倒れてしまった。
借金の取り立ても毎日のように家に上がり込んできた。

両親は耐えきれなくなり、薬を飲んで一家心中しようとした。
けど、俺だけが何故か生き残った。
母親が俺だけは生きてほしいと偽物を飲ませていた。
まだ幼かった俺は孤児院に行くだろうと考えていたのだろう。

だが、俺を見つけたのは警察よりも先に取り立てに来た連中だった。

その日から俺は名前を変え、借金を返すためにそいつらの仲間になった。
学校には行かせてくれたが、その分、働かされた。
地獄のような毎日だった。

それも何年も続き、ある話が入ってきた。

『次の仕事を最後にしてやる。』

やっと、逃れられる。
そう思った。

俺は即、その仕事を受け入れた。

仕事の内容は・・・

西園寺家に潜り込み、弱みを探る事だった。

『私の人生をあなたに捧げます』

そう言ってこの家に入った。
息子の側にいるのが1番良いと考えた。

俺の読み通り、簡単に受け入れてくれた。
/ 65ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp