第5章 どうにでもなれ
蓮side
目が覚めた場所は全く知らない廃工場のような所。
「どこだ・・・いっ!?」
少しでも動くと頭に激痛が走る。
さっき痛めた時だ。
何が起きてる?
椅子に座った状態で手足を縛られている。
全く動けない。
「だ、誰か!いませんか!?」
声だけが響く。
誰もいないのか?
窓から見える景色は暗くなった空だけ。
周りを見渡していると何人かの足音が聴こえた。
「っ!誰かいるんですか!?助けてください!」
必死に叫んだ相手は知らない男達。
もうこの際誰だっていい。
助けてもらわないと。
「あの!助けてください!動けなくて!」
助けを求めると、男達は馬鹿にしたように笑い始めた。
「ちょ・・・笑ってないで!助けてください!」
「あーうっせぇな。誰もそんな事しねぇよ。」
「第一、これ俺らがやってるから。」
「は!?何が目的だよ!」
「・・・そうだなー・・・金かな。」
なるほどな。
俺を誘拐して身代金を貰うってことか。
「あーあと・・・お前の執事。櫻木郁翔。」
「!?」
「アイツに用がある。」
「郁翔に?・・・一体何の用だよ・・・」
「・・・アイツがお前の執事になった理由・・・知ってるか?」
「いや・・・」
「・・・全部教えてやるよ。坊っちゃん。」