第5章 どうにでもなれ
蓮side
賢人が俺の執事をし始めて何日か経ったが・・・
完璧過ぎる・・・
郁翔と全く変わらないくらいだ。
「お前、前にこの仕事やってたのか?」
「いいえ、初めてですね。」
「その話し方やめろ。普通にしてくれ。」
「えーでも執事だよ?俺。」
「親友なんだろ?」
コイツまじで興味本意だけでやってるだろ。
「はぁ・・・ちょっと出てくる。」
「あ!俺も!」
「あーいい。」
「けど危ないだろ?!」
「俺の命なんか狙う奴いねぇよ。いたらこれまでに何度も危ない目に合ってるよ。」
「けど!」
「お前は夕飯作ってろ。まだ仕事はあるだろ?」
「・・・分かったよ・・・気をつけろよ?」
「大丈夫だって・・・」
そう言いながら、鞄を持ち、家を出た。
正直、行く所なんてない。
やっぱり郁翔がいねぇとつまんねぇな。
楽しくねぇし。
行く宛も無くフラフラと散歩していると後ろに何かを感じた。
「っ!」
後ろを向いた時には既に遅く、頭に激痛が走り、意識がなくなってしまった。