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その先立ち入り禁止!【R18】

第5章 どうにでもなれ


蓮side

携帯電話を手に取り、間違えない様に丁寧にダイヤルを打っていく。
何度電話してもかからないはずだ。
電話番号が前とは違っていた。

発信音がなってすぐに郁翔の声が聞こえた。

「はい。櫻木郁翔です。」

「おい、郁翔・・・お前何勝手に辞めてんだよ。」

「蓮様ですか・・・申し訳ございません、黙って出ていってしまって。」

「本当にな。今どこだ。」

その質問に対して間が開く。

「それは教える事ができません。」

「・・・どうして辞めた・・・」

「それは・・・」

郁翔は黙り込む。

「蓮様。今から言うことは全て忘れてください。」

「は?」

電話の向こう側で深呼吸するのが聞こえる。

「蓮様は我儘で、すぐ諦めて、メチャクチャで、ドジで子供です。」

「てめぇ、電話だからって言いたい放題だな。悪口を忘れろと言ってんのか?」

「確かに言いすぎました。けど、私はそんな蓮様を愛してしまいました。蓮様の事が大好きです。」

「・・・え?」

「ですが、私は執事。貴方とはつりあいません。それにこれはあってはならないことです。だから私は決意しました。」

俺の事が?
好き?

なにかの聞き間違いか?

「では、私は今生憎忙しいのでこれで。・・・さよなら。蓮様。」

「っ!まっ!」

電話は切れてしまった。
急いで電話をかけ直すが一向に出ない。

何勝手に告って勝手に俺の前から消えてんだよ。
俺にも言わせろ。
好きだって。

「ふざけんな。」

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