第4章 あくまで執事として
郁翔side
部屋を出て、西園寺様の下へ向かった。
今頃蓮様は・・・
あの男に犯されているのかもしれない。
「おや?郁翔君。蓮はどうしたんだ?」
「西園寺様。今、犬塚様と部屋で話していらっしゃいます。」
「そうかい。」
西園寺様がワインを片手に俺の顔を覗き込んだ。
「?どうかされましたか?」
「いや・・・何か思いつめた顔をしているなと思ってな。何か蓮とあったか?」
「い、いえ。特には・・・」
「郁翔君。私は君を1番に信頼しているんだ。何でも話してくれ。」
「ありがとうございます。」
1番に・・・?
「あの・・・犬塚様を第1に信頼しているのでは?」
「勿論、犬塚君を信頼しているよ。でも、君が1番だ。いつでも連の味方をしてくれるからね。」
「西園寺様・・・」
この人は本当にいい人だ。
「・・・私、少し用事を思い出しました。蓮様の所へ戻ります。」
「あぁ。我儘な息子だが、よろしく頼んだよ。」
「はい。」