第4章 あくまで執事として
蓮side
郁翔は部屋から出ていってしまった。
違う・・・
本当は助けて欲しかった。
でも、郁翔には執事をやめて欲しくない。
「やっと2人になれたね。蓮君、続きしよっか。」
犬塚さんが俺を押し倒した。
こんなことしたくない。
好きでもない人と・・・
大人の力に勝る訳が無く、抵抗しようにもできなかった。
幼い頃、犬塚さんはよく俺と遊んでくれた。
一人っ子の俺にはお兄さんのような存在で大好きだった。
けど、それも一気にぶっ壊れた。
郁翔が来る1年前、部屋で遊んでいたら急に犬塚さんが押し倒してきた。
その時は訳がわからず逃げようとはしなかったが、身体を触られて確信した。
その日は母さんがドアをノックしたため、それで終わった。
母さんがいなかったらあのまま犯されていただろう。
犬塚さんを避けるようになったのはそれからだった。
犬塚さんは俺の藻掻く手をネクタイで縛り、キスをした。
助けて・・・郁翔・・・