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その先立ち入り禁止!【R18】

第4章 あくまで執事として


郁翔side

蓮様の為にお茶を持ち、部屋に向かう。

ドアをノックする。

「蓮様。お茶をお持ちしました。」

「〜っ!」

「蓮様?どうなさいました?」

中の様子がおかしい。

「入ります・・・」

扉を開けると、中には犬塚様とスーツがはだけた蓮様がベッドの上にいた。
蓮様はベッドの上に慌てて座ったような形になっている。

「何を・・・」

「っ・・・何でも・・・ない・・・////」

蓮様は目が潤んでいて何かを訴えかけているようにも見えた。

「・・・犬塚様、いらっしゃったのですね。」

「うん。君こそ何か用かな?」

「お茶をお持ちしました。」

「そういう事か。そこに置いといて。後は僕が・・・」

「いいえ。犬塚様は会場の方にお戻りください。私が蓮様を看ております。」

「いや、君は出ていってくれ。蓮君と久しぶりに話でもしたいんだ。」

「しかし、蓮様にお仕えするのが私の務めでございますので。」

何とかして、犬塚様を部屋から出そうと試みる。
蓮様のあの顔は助けを求めている顔だ。
それにあのスーツのはだけ方・・・

「おかしいな・・・君はとても優秀な執事だと聞いたんだが・・・言うことひとつも聞けないのか。」

「私の主人は蓮様ですので。」

「そうだろうけど、君は自分の立場を分かっていないようだね。君は身分が僕より下なんだよ。それに、社長からかなりの信頼を持たれている。君なんて僕が社長に言えば首に出来るんだよ。」

犬塚様が蓮様の方を横目で見た。
蓮様の顔が真っ青になる。

「郁翔君・・・いうこと聞いてくれないかな?蓮君が悲しむようなことはしたくないんだ。」

聞くわけにはいかない。

「申し訳ございませんが・・・」

「郁翔、出ていってくれ。」

蓮様が口を開いた。

「今、何と・・・?」

「2人にしてくれ。頼む。」

「主人の命令だ。郁翔君。」

その言葉は本意ではないのはわかった。
ただ、俺は蓮様の言うことは絶対。
それが決まりだ。

「・・・承知しました。」

従うしかない。
俺は身分が下なのだから。
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