第4章 あくまで執事として
蓮side
「・・・お前はその日、どうするんだよ。」
「私は西園寺様に別のお仕事を頼まれてまして。由梨様の方にお付きを。」
母さんの?
どっか行くの?
なんも聞いてねぇんだけど。
「だったら、絶対行かない。」
「何を言ってるんですか。その日は別の者が・・・」
「郁翔じゃなきゃ嫌。行かない。」
我儘なのはわかってる。
でも、郁翔がいい。
他のやつが郁翔の代わりなんて考えられない。
「はぁ・・・全くあなたはどこまで子供なんですか。」
そう言う郁翔の顔は少し赤く見えた。
気のせいか?
「わかりました。西園寺様に相談してみます。」
呆れたように、でも少し嬉しそうにそう言って口元を隠した。
犬塚・・・アイツにはあまり会いたくない。