第3章 構って欲しいだけ
郁翔side
もう何日も蓮様は賢人様の話をしていた。
それも楽しそうに。
もしかしたら、賢人様が好きに?
ただ、初めての親友が出来て嬉しいだけなのかもしれない。
「蓮様……好きな人でも出来ました?」
「へ?////」
つい、口出しをしてしまった。
聞くつもりなど無かったのに……
「……好きな奴が俺にいたらおかしいかよ……////」
顔を真っ赤にして口をとがらせ答える。
好きな人がいるのは間違いないのかもしれない。
まぁ、高校生だし……好きな人なんて一人や二人いてもおかしくない。
「いえ……賢人様ですか?」
「はぁ!?ちげぇし!そもそもアイツは親友で男だ!」
「別に男でもいいのでは?最近では同性同士での恋愛もよく聞きますし。」
「確かに聞くけど……」
反応を見る限り、賢人様ではないのかも。
『男だ』
その言葉が耳に残る。
そうだ……普通は変に思うだろう。
特にあんな性格のぼっちゃんのことだから。
男同士なんておかしいとか言いそうだ。
なにモヤモヤしてるんだ……
胸までズキズキと痛む。