第2章 新しい友達
蓮side
全力で教室まで走ったため疲れてしまった。
授業が始まる前にバテるとか……
ついてねぇ……
俺がバテているのを他所に先生が朝礼を始めていた。
「今日からこのクラスに転入生が来ることになった。紹介しよう。」
転入生?
この時期に?
扉が開き入って来たのは男子……
って!
「お前さっきの!!」
「?……あぁ!!執事の!!」
しまった……
思わず声を出してしまった……
しかも、執事って……こんな大勢の前でやめて欲しい。
穴でもあったら入りたい。
恥ずかしくなり、座り込んだ。
「……えっと……今日からお世話になります。笹木賢人です。よろしくお願いします。」
笹木賢人……
何か優しそうな奴だな。
好青年って感じだ。
「じゃあ、笹木は一番後ろの席に座れ。西園寺、お前色々教えてやれよ。」
「あ、はい……」
俺の隣じゃねぇか!!
せっかく1人だったのに!!
俺の横に笹木が座る。
「よろしくな、西園寺。」
「お、おう……」
笑顔で話しかけてくれる笹木に対して、少し距離を取ってしまう。
人見知りでコミ障な俺は接し方が分からない。
「……俺の事、賢人って呼んでいいから。」
「は?……」
「西園寺……下の名前は何ていうんだ?」
「えっと……蓮。」
答えてしまった。
「蓮か。じゃあ、俺も蓮って呼ぶな。よろしく、蓮。」
「よ、よろしく……けん…と…////」
何か恥ずかしい。
こんな風に呼び捨てで言い合う仲なんて今まで郁翔くらいしかいなかったから。
けど、少し嬉しかった。
ワクワクするというか……
楽しみ。