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青い果実 2【NARUTO】

第1章 帰郷



彼女の姿を見て、思考が停止しそうになった。

さらりと流れる美しい長髪に、整った顔立ち。

彼女自身は柔らかな雰囲気を纏っているが、瞳からは意思の強さを感じ取れる。

すらりと伸びる手足は、程よく引き締まっていて美しい。

突然現れたその女性に、シカマルは目を釘付けにされていた。


「お、待ってたぞ!こっちだ、こっち!」


シカマルの隣で、アスマが片手を挙げて彼女を呼ぶ。

そのときシカマルは、ようやくアスマが自分をここに呼んだ理由がわかった。


「遅くなってすみません。少しだけ休むつもりが、気が付いたらこんな時間まで寝てしまっていて…」

「長旅で疲れていたんだろ。全然気にすんな!」


気が付けば、彼女とアスマの声だけが店内に響いていた。

周りの客も、酔っ払っていたはずの上忍達までもが皆、声を発することも出来ずにその女性に注目していたのだ。

皆の視線に応えるように、彼女は微笑んで言った。


「皆さん、ご無沙汰しています。空風リエ、本日木ノ葉の里に戻ってきました」


それを聞いてシカマルはハッとする。

成長したとはいえ、リエの面影がなくなったわけではない。

いつものシカマルならすぐにリエだとわかったのだろうが、あろうことか冷静さを欠いてしまった。


シカマルの、いや、その場にいた者の心を奪うほどに、リエは美しくなっていたのだ。


「なんとぉ!?リエかぁ!!すごい美人になっちゃって先生わからなかったぞぉ!!!」

「はいはい、酔っ払いは黙ってな」

顔を真っ赤にしてそう叫んだガイにそう言うと、アスマはリエに自分の席を譲りガイの隣へと移動する。

その際、「頑張れよ、シカマル」などと小声で言うアスマが恨めしかった。

何をどう頑張れってんだ。

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