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FFVII いばらの涙 綺麗譚

第1章 white eyes


 連日の実験で疲弊したシャロンは、本来持つ治癒力が弱まり、魔力も吸い取られぐったりと横たわった状態で数時間過ごしていた。
今は夜なのだろうか。部屋の外からあくびをする声が聞こえた。

昼夜の概念を失ったシャロンは常にまどろんでいた。
ふと扉を開ける音が聞こえる。

「見張りお疲れ様です。代わります」
「おう、新人か。じゃあ頼むわ」
「はい」

扉が開けられ、監視が交代する。なんということはない日常だ。
少しの沈黙の後、また扉を開く音。

「シャロン」

彼女は名前を呼ばれて目を開ける。

「あぁ……噂通り綺麗だ……」

シャロンの肌を伝う生暖かい感触。
素手で体を弄られ、シャロンは声を上げる。

「きゃっ!」
「シッ……声をあげても無駄だけど……念の為、これ、持ってるから」

男は傍に置いていたスタンガンをちらつかせる。

「俺も手荒なことはしたくないんだよ? かわいいキミを傷つけたくない……」
「や……ぁ……」

涙を浮かべるシャロン。抵抗しようとしても、あまりの恐怖にうまく声を出せなかった。
男は彼女の胸に手をかけ思いのままに揺さぶりながら息を荒くする。

「俺、こんな仕事だろ? だから、モテなくってさ……もう、左遷でもなんでも受け入れるから、せめて一度だけでも憧れの女神と交渉したいんだ……はぁ……頼むよ」

首を横に振り、必死に抵抗する。力を振り絞ってもなぜか魔法は使えず、男の力によって地面に縫い付けられていた。

 しかし暫くして、彼女の視界を滲ませる瞳いっぱいに溜まった涙が溢れた時、夢中になってシャロンの全身の匂いを楽しむように頬をすり寄せる男の影に、もう一人の影が見えることに気づいた。

「ククク……また新たな素体が罠に釣られて来たようだ」

一発の銃声が鳴り、シャロンの上に男の体が頽れる。
彼女は目を見開き、呆然と空を見つめた。

「なんだ? お楽しみを邪魔されてショックを受けているのか?」
「……宝……」
「ん?」
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