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FFVII いばらの涙 綺麗譚

第1章 white eyes


 それは悪夢の始まりだった。
科学の進歩の為だといって彼らはこれまで多くの実験を繰り返していた。次の目標は、人の記憶を引き出し保存する方法を確立する事。

「役に立て……シャロン。天涯孤独のお前を拾って育ててやった神羅に恩を返したいだろう?」
「それはもちろん。だけど、一体何を……?」
「恐れることはない。さぁ、そこに座るのだ」

宝条を始めとした科学者達がシャロンの周りを取り囲む。
腕に装置が装着されると、ピ、ピと少し早いリズムで脈の音を刻んだ。
ルクレツィアがあやすように彼女に微笑みかけて、シャロンは少し落ち着きを取り戻す。
口に大きなマスクがかけられて、呼吸をするうちに彼女は意識を手放していった。

「私達の頭脳を安全に保存するために必要な第一歩だ」
「優れた頭脳をいつまでも使い続けられるとしたら大きな財産ですよ」
「その通り……クク……さぁ、実験を始めよう」


 目覚めると、彼女は記憶の一部を失くしていた。
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