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FFVII いばらの涙 綺麗譚

第7章 death wish


 ヴィンセントとユフィは、シェルクを回復させるため施設内の魔晄ポッドに彼女を連れて行き、シェルクの依頼通り魔晄を浴びせた。
彼女は魔晄を浴びなければ生きられない身体であるため、これが休息になるのだ。
ひと段落して、ユフィが今後の作戦の確認をする。

「ヴィンセントはこのまま潜入、あわよくばネロとヴァイスを倒す。んで、アタシはその隙に中心部に侵入して炉を止めると。ま、一人の方が身軽でいいや。んじゃ、ヴィンセントも頑張ってね〜」

ユフィはそう言うとさっさと作戦を続行しに部屋を出て行ってしまった。
遅れをとりつつ先へ進もうとするヴィンセントをシェルクが呼び止める。
シェルクは魔晄エネルギーと繋がり急速に回復し、またルクレツィアの記憶が浮かび上がってきていた。

グリモアとルクレツィアの繋がりを知るヴィンセント。それでも関係ないと想いを伝え、しかしルクレツィアは彼を拒絶し、逃げるように宝条と結婚。

過去の出来事にシェルクは戸惑いを見せる。
呼び止められたままのヴィンセントが何か用かと声をかけると、シェルクは彼に疑問をぶつけた。

「あなたは、なぜ戦っているのですか?」
「……ヤツらを倒し、オメガ復活を止める。ちゃんとした理由があるのだろうし、これはケリをつけねばならぬ事のように思う。が……正直、よくわからんな」
「そうですよね……私も、よくわかりません。ただ、この星から命が消えてしまうのはとても悲しいこと……かもしれないと、そんなことを考えました」

シェルクの中にはもはや、ツヴィエートとしての人格は残っていなかった。
ヴィンセントは、シャロンがこのまま目覚めないのならば、この星を守る必要があるのだろうかと自問した。しかし、それは愚問だった。シャロンが関係なくとも、彼は星を救うため戦うだろう。理由はよく分からないが、きっと、シェルクと同じような、理論でどうにか出来る感情ではないのだ。
ただ一つ確実なのは、彼はシャロンの目覚めを信じていること。彼女の居場所を作っておかなければ、目を覚ました彼女が迷ってしまうから。
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