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FFVII いばらの涙 綺麗譚

第4章 Asrun dream


 世界全ての刈り取り——
虐殺の布告だった。
直後車がモンスターに襲われ、ヴィンセントが射撃で応戦しなんとか撃退するもエンジンが損傷し走れない状態になってしまう。

「大丈夫か?」
「ええ、ですがエンジンがやられてしまったようです。すみませんが、あなたはこのままエッジへ向かってください」
「悪いが私は用事がある」
「ヴィンセント、気持ちはわかりますが今はおそらくルーファウスに保護されているのが彼女にとって最も安全です。彼らは、あなたにも興味があるようですから」

ヴィンセントは、カームでの戦いの中で、青髪の巨男に出会ったことを思い出した。
リーブによれば、その者はディープグラウンドのエリート階層『ツヴィエート』の一員らしい。
彼は様子見といった雰囲気であったが、確かに去り際「また会おう」などと言い残していた。
ヴィンセントはほんの刹那沈黙してからリーブに目を合わせる。

「仕方ない」

そうして彼はこの戦いに深く関わっていくことになった。
リーブ率いるWROには、元神羅の社員と思しき科学者や元レジスタンスのような人物もいた。
それぞれが物語を抱えて生きていた。今日命を落とすかもしれない。それでも彼らは戦っていた。守るべき何かのために。

 エッジに着くと、シャルアという科学者の女性と出会った。
彼女もWROの一員だった。彼女は他のWRO先行部隊が既に入っているはずだということや500人ほどいるはずの街の住人が見当たらないことを不審に思っていると話したが、彼女自身は任を得てここへ来たわけではないらしい。
探しものがあると足早に立ち去ろうとする彼女に訊ねる。

「何を探しているんだ?」
「私の——命だよ」

他にも色々訊ねたい事があったが、彼女の『命』を語る真剣な表情と、そこにあるはずの命を探すという行動に矛盾を感じそれ以上引き止めることはやめにした。
また科学者。本当に変わり者が多い。彼は思う。どうやら科学部門とは縁が切れないらしいと、彼は自嘲するように暗い空を見上げた。
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