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FFVII いばらの涙 綺麗譚

第4章 Asrun dream


 混乱した街を見下ろし、カダージュは愉快そうに笑い声をあげる。

「楽しいなあ社長。次は何を呼ぶ?」

彼が振り返った時、社長は車椅子から立ち上がり自身を覆う布を剥ぎ取った。
彼は星痕を隠すためではなく、腕に抱いた小箱を隠していたのだった。
カダージュはその小箱が探し求めていた『母さん』であることを瞬間的に認識したが、社長は彼が動き出す間も無くそれをビルの上から放り投げた。

カダージュは怒りにまかせて魔法を放つが、社長はそれを躱すようにビルから飛び降り、カダージュもそれに続く。
地面に打ち付けられる前に、社長はタークスによって救助されたが、カダージュはジェノバの首を掴み取り持ち去って行った。
一人取り残されたシャロンの肉体はその後ツォンとイリーナによって回収され、社長の命令で神羅の本社へは送らずタークスで保管することとなった。

 シャロンが姿を消したことにカダージュが絡んでいると踏んでいたヴィンセントは、クラウド達を追い街へ駆け付けた。戦禍に巻き込まれた街の様子を見て憤りを感じたが、彼にとってはシャロンを探すのが先決である。
私には関係ない。そう呟きつつ、いざ魔物に喰われそうな子供を目の当たりにすれば放ってはおけず、世話焼きな一面もあるヴィンセントは『仕方ない』と自分の性に呆れたように呟き、当事者としてこの戦いに巻き込まれる事を選んだ。
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