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FFVII いばらの涙 綺麗譚

第3章 IN FLAMES


 樹木の中はまるで昼間のように明るく彼らは光源を探すが見つけられなかった。しかし代りに見つけたのは三人を頭上から見下ろす女性の結晶体だ。

「なぜだろう。懐かしい感じがするよ」
「けど、母さんじゃない」
「そう、母さんとは違う……だけど……」

カダージュと言う名の青年は、ヒト型の結晶に目を奪われ続けた。

「それよりこんな臭ぇトコ早く出ようぜ。他に何も無いんだろ」
「待って。これ、持って行こうよ」
「どうやって?」

長髪の青年が試すような視線をカダージュに向けると、カダージュは刀に手をかけ、その結晶上部を覆う樹木の蔦を一閃した。
支えがなくなり、残った蔦は結晶の重みに耐えられず千切れていく。
ぷつぷつと音を立て、とうとう結晶は支えを失い地面に落下した拍子に表皮が砕け散ってしまった。

「やれやれ乱暴だなあ。引き摺り下ろすことはできたけど、中から人のようなものが出てきたな」
「彫刻じゃねぇのか? あちこちにあるような、女神の像とかそんなヤツ」
「僕は本物の人だと思う」
「俺もそうだな……作り物には見えないけど」

短髪の青年は眉を顰めてもう一度凝視したが、その後首を傾げた。
砕けたら拍子に中身も砕けてしまいそうなものだが、その中の彼女はくっきりと形を残していた。とはいえ硬直しているため3人がかりでも運び出すのに苦労したのだった。
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