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FFVII いばらの涙 綺麗譚

第2章 NINE SPIRAL


 魔晄炉の調査にはシャロンも同行させた。
こちらとしては、強姦魔の手から女を守る目的があったが、向こうからすれば、彼女は人質と同じだった。

魔晄炉の調査は二日で終了した。

彼女の待つ小屋へ行く。
扉を開けてすぐ、椅子に腰掛ける彼女の姿が視界に映ったので、後ろ手に縛られたロープを外してやる。

「セフィロス……おつかれさま」
「……なんだ、何故そんなにしおらしくなっている?」
「うん……これで私、セフィロスの女になっちゃったわ」
「なにを言う……」
「ふふふ、ごめん、青少年をからかうものじゃないわね」

少し頰に熱を感じる。
俺はそっぽを向いて解いたロープを床に落とした。

「……で、これからどうする?」
「私と逃げよう」
「俺は行かない」

シャロンの顔から笑顔が消える。
なぜそんなに悲しそうな顔をする?

「セフィロス、無理にここにいる必要はないのよ?」
「無理などしていない。ここは俺の居場所だ」
「ね、私と来て……」

上半身を乗り出して潤んだ瞳で見つめてくる。
懇願する様は悪くないが……

「……色仕掛けをしても無駄だ」
「いっ、色仕掛け!?」

……その仕草が天然だと?
獰猛な男達から狙われるわけがわかる。

「はぁ……なんだかよくわからない女だな。とにかく、お前は今回の件の報酬として、俺の玩具となってもらう」
「玩具?」
「丁度いい。遊び相手が欲しかったところだ」

見るからにほっと胸をなでおろす。
バカな女だ。その場しのぎの言葉をすぐに信じたりして。
この女は俺の狙いなど知る由もないだろう。
部屋の隅に隠された監視カメラを横目で見る。

「さ、応援が来る前に、行くぞ……」
「やだ……え……やだ……神羅にはいたくない」
「大丈夫だ。俺が守ってやる。お前に危害を加える奴は俺が切り刻む」

渋々腰を上げるが、足取りの重いシャロンに少し苛立ちを覚える。

「おい……自分の立場がわかっていないようだな。早くしろ!」
「あっ」

手を引き小屋の入り口から駆け足で外に出ると、シャロンの手を引き側にある少し急な崖から放り投げ、底にエアロの魔法をかける。
大丈夫なはず……急に見えるが、下の方は緩やかだ。

崖から風が吹き上げてくるのを感じ取ったあと、俺は自分の頭に銃を突きつけている人物を振り返った。
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