ここはシリーズif短編【HUNTER×HUNTER】
第6章 DNH企画 私とターゲット
止む事の無いスプリンクラーの水に濡れ白いシャツが身体に張り付き想像よりもずっと男性的で立派な骨格が浮き上がる
白い肌に水を弾かせて黒い髪が肌に張り付く様は目眩を覚える程に官能的で
伏し目がちに私を射抜く瞳は雄の熱を籠らせていた
只息を飲み立ち尽くす私の肩に大きな手が触れてゆっくりと壁迄追いやられて行く
あの無表情が途端に変えて見せた色は危険な香りがして吸い込まれる様に黒い瞳から目が離せなくなる
ガラス壁に背中がぶつかる頃に漸く動き始めた思考
気が付けば随分と近い距離に彼の作り物の様な顔が迫っていて張り付いた髪を鬱陶しそうにかき上げる仕草の後淫靡な色香りを漂わせたまま唇を開いた
「1ヶ月の短期契約なんて辞めなよ。」
「………え………」
屈み込んだ彼から男性的な香りがしてドキドキと破裂しそうに胸が騒ぐ
中性的な顔立ちからは想像も付かない逞しい身体が濡れたシャツ越しに艶かしく押し付けられて完全に動きを封じられてしまった
軽々掴まれた手首
濡れた素肌を擽る様に悪戯になぞる指先
触れそうな距離に呼吸を感じ鼓膜に掠れた声が注がれて背筋から得も言えぬ痺れが身体を走った
「今の会社なんて辞めれば良いよ、俺が何とかしてあげる。」
「沙夜子は俺のものに成るんだよ」
「沙夜子も其れを望んでいるでしょ?」
まるで脳内を支配する様な甘く淫靡な囁きを落とした彼は再び私を見下ろした
全てを確信している様な余裕の瞳に捉えられ
私は今どんな顔をしているのだろう
「………私は………「その顔が答えだろ」
天井から降り注ぐ水に冷やされた体温は迷いや揺らぎを洗い流して全てを奪われる様に重なった唇の温かさに溶けた