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ここはシリーズif短編【HUNTER×HUNTER】

第6章 DNH企画 私とターゲット





震える手で毒をコーヒーに混ぜる


………………このまま流してしまおうか……………


……………いや……………殺るしかない……………



誰も居ない社内に二人きり


今が絶好のチャンス



想いを振り切る様にカップを手に給湯室を出たその時だった


けたたましい警報が社内中に鳴り響き突然消えた照明


「何っ!?!?」


唐突に奪われた灯りに焦って辺りを見渡す私の傍で彼は至って冷静に


「火災だね。」


落ち着いた声を漏らした


「火災………?!」


なんて狼狽える私を観察する様に向けられる瞳


「は、早く逃げないと!」


「平気だよ、だって…………」


彼の声を遮る様に降り注いだのはスプリンクラーだった


突然冷たい水を浴び驚いた拍子にマグカップが床に転がり毒入りのコーヒーは全て流れ水と混ざる


その様子を視線で追った私達


既に下着までびしょ濡れで私が溢さずともコーヒーは台無しになっていただろうけど


心底ホッとしている私がいた


「すみません……コーヒー……」


「良いよ別に。次がある。」


「…………え…………?」



呟きに視線を戻した先呼吸を忘れて固まってしまったのは


淡白で無表情だと思っていた男性があまりにも妖艶な色を湛えた瞳で此方を見下ろしていたからだった




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