ここはシリーズif短編【HUNTER×HUNTER】
第1章 イルミ先生と私
私の成績は気にしていなかっただけで相当やばいらしい
今日も今日とてプリントを解く
「…………」
「…………」
静かな部屋にシャープペンシルの音
私に宛がわれるプリントは余った手紙の裏にボールペンで手書きという簡易的かつ手抜きなのか心が込もっているのか良く解らない代物で、すっかり先生の癖字を見付けられる程に至っている
「………んー!終わりました!」
「…………どれ。」
なんて言いながら机を覗き込む先生
………顔が近い………!!!!!
成績のピンチの前に心臓発作で絶命しそうに成る
さらりと落ちた黒髪からふわりと異性の香りがして思わず仰け反った椅子の背もたれには先生の手が置かれていた様で背中に触れる
「!!すみません!」
「別に」
意識し過ぎてしまうのは致し方無いとして裏返った声が響いて恥ずかしい
「……ここ間違ってるよ。……全く……沙夜子は本当に馬鹿だね。何度も教えたでしょ?」
呆れた様な溜息交じりの言葉にすらドキドキと胸が高鳴る
授業中は名字で呼ばれるのに何故か放課後だけ私の事を名前で呼ぶ
今まで授業中に目が合う事も無かったのに視線が交わる様に成った様にも思う
其れだけヤバい成績なのかも知れないし只私が意識し過ぎなだけかも知れないが………しかし其れにしたって名前呼びは全く関係無い様に思った
「何してるの。早く、やり直し。」
「あ、はい……」
先生は机を覗く様にしゃがみ込み私の様子を伺っている様に見える
大きな瞳が細められ妙にセクシーでプリントに集中出来ずにいると
「…………気が散ってるみたいだけど……どうしたの?」
「え!?」
気を散らせている張本人に直球で問われて変な声をあげてしまった