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ここはシリーズif短編【HUNTER×HUNTER】

第5章 路地裏イチャイチャinイルミ






流れる涙をそのままに肩で荒い呼吸を繰り返し男を睨み付ければ

男は私の首筋に顔を埋める様に屈み込み私は拒否を口にした


「っ………嫌っ!!!!」


しかし

その時ふんわり鼻を掠めた香りは私の良く知る人物に良く似ていた

…………私を優しく抱き締める大好きな彼の香り…………


動揺と困惑が駆け巡る

仮面にしっかりと隠された素顔に誰なのか解らない

特徴的な艶のある長髪すらも隠された姿で彼だと断定する事は出来ない

…………其れなのに安心する香りが私を包み込むのだ



「…………誰なんですか………」


涙声で発した言葉は虚しく首筋を舐め上げられて身体が跳ねる

抵抗を試みて身を捩るが片手で強く捕らえられた両腕はほどけそうに無かった

チュッとわざとらしく鳴ったリップ音の後硬い感覚に血の気が引いて行く


「…………お願い……やめて………」


愛しい人の香りを纏った男

目の前の男が彼だとはっきり解らなくても私に対する行動は似ている様に思う


首筋にたてられた歯が肌に食い込み激しい痛みが走る


「いっ……………!!!!」


噛み付いた跡を舐め上げる舌の感覚にゾワゾワと肌が震えるのが解った

空いた片手を悠々と口元に持って行った男は両の手に白い手袋をはめていた

その手袋を口に挟むと私に見せ付ける様にスルスルと外し素肌を露にした

しなやかな長い指、男性にしては繊細な形


露出した肩を撫で下ろす感覚に男への疑惑は確信めいた物へ変わって行く



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