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ここはシリーズif短編【HUNTER×HUNTER】

第5章 路地裏イチャイチャinイルミ





人波を割って慣れないヒールをカツカツ鳴らし歩く

宿泊しているホテルまであと少し………なんて思っていると突然強い力に肩を引かれて逸れた道へ引き釣り込まれる


「っ!?」


驚きの余り声が出ず咄嗟に抵抗する様に踏ん張ったが圧倒的な力の差に裏路地へと連れ込まれてしまった

そこに人影は無く先程迄の活気はまるで無い


振り返れば背丈の高い男が此方を見下ろし一歩踏み出した所だった

白い仮面は華やかに装飾されているのに覗いた口元は冷たい印象を与えた


「っ…………」


沸き上がる恐怖から走り出す

とにかくこの路地から抜け出さなければ………

カツカツと響くヒールの音

バクバクと嫌に早い鼓動

背中に汗が流れる


…………あの角を曲がれば………!


なんて希望は一瞬にしてかき消えて絶望に変わる

暗く奥ばった路地裏は更に狭まりその先は行き止まりに成っていた


しかし確実に近付く気配に背後に感じる冷たい壁面が逃げ場所は何処にも無いのだと教える

悠々と歩み寄った男

腕を伸ばせば触れられる距離


脚が震えて泣き出しそうになる


………………彼の言い付けを守ってさえいれば…………

なんて今更な後悔が過る中

男は強引に私の仮面を取り払った

素顔を見られてしまった事よりも一体私はどうなってしまうのかという恐怖が募って行く

見知らぬ男が女をわざわざ路地裏に連れ込む理由なんて考えずとも解っていた

しかし其れが自身の身に起きたとなると最悪のケースを必死に否定する自身がいた

手に取った仮面を地面に放った男を思い切り睨み付ける


……………面識も無い他人に簡単に汚されて堪るものか…………



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