ここはシリーズif短編【HUNTER×HUNTER】
第5章 路地裏イチャイチャinイルミ
すっかり陽の落ちた外界から賑やかな声が聞こえる
そんな最中私はスマホを片手に溜息を付いていた
着飾った真っ赤なドレスは私には似合わない妖艶な物で素顔からかけ離れたメイク全てが一瞬にして無意味な物に成った
彼からの『仮面カーニバルに行こう』という素敵なお誘いは彼の仕事が長引くという理由からキャンセル
エリート暗殺者……………多忙なのだから仕方がないのだけど
部屋の窓から見下ろす街には色鮮やかな仮面で素顔を隠した沢山の人々の姿
私は彼の『部屋から出ないで』という言い付けを破って部屋を飛び出した
彼が帰宅するのは明日の夜
更には仮面で素顔を隠していればバレる事は無いのでは……なんて思ったのだ
街に出て仮面を被れば口元以外見えやしないし私が何処の誰なのか解る人なんていない
周りで騒がしい人々だって私には誰なのか解らない
賑やかに音楽が鳴り響き沢山のワゴンでは良い香りを漂わせた異国の食べ物が売り出されている
大きな道路を閉鎖されたカーニバルは人でごった返しているが各々に個性豊かな衣装は見ているだけでも楽しくワクワクと胸が弾んだ
普段とは色を変えた街を見渡して購入したカクテルを傾ける
特に何をするで無くてもそれだけで異国情緒を味わえる事に心底満足していた
私は夢中に成ってワゴンを見て回りカクテルを飲み干した
………しかし彼にバレないとは言え黙って部屋を出て来た罪悪感が無い訳ではなかった
(………………そろそろ帰ろう………)
気が付けは随分遠くに来てしまっている