• テキストサイズ

ここはシリーズif短編【HUNTER×HUNTER】

第3章 俳優イルミさんとマネージャー





私と彼はビジネスで時間を共にしているだけでそれ以上でも以下でも無いのだ


「お待たせ。」


「はい、車回して来ますから!」


「うん。」


慌ただしい撮影現場を渡り歩き彼を自宅に送る頃には深夜1時に近かった


「明日は何時から?」


「4時入りなので3時には起こします」


「………はぁ、了解。」


溜息を付きたいのは此方の方だ。
彼を起こす時間を逆算して起床しなければならない


「そう言えば最近女性見かけませんね。」


明日の撮影に使う小道具を彼の部屋へ運びながら思わず出た言葉はあからさまに打ち上げで飲み過ぎた酒のせいだった


「……スキャンダルは起こすな、でしょ。」


「……はい」


…………非常に気まずい………。私は今直ぐに立ち去りたくなっていた


「じゃあ見かけ無い方が良いんじゃないの?」


広いリビングで気だるげに上着を脱いだ彼は其のままソファーに放った

バサリと布が落ちる音が響く中

彼の溜息が聞こえる


「明日早いんだし泊まって行きなよ」


「え………?!」


まさか大きな溜息の後にそんな事を言われるとは思いもしておらず声が裏返る


「起こすの大変でしょ?俺」


「い、いえ………。家近いし大丈夫です……」


煩く騒ぐ鼓動が耳に付く

彼はきっと其のまま言葉の意味で言ったのだろうが其れは恋心を懸命に殺す私にはあまりにも酷だった



/ 53ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp