第2章 *二ノ章*
私は帰った後も、途中であった人が脳裏に焼きついていた。
何処かで見たことがあった気がするけど思い出せない。
思い出そうと頭をフル稼働させていると、携帯がブルブルと震えた。
開くとそこには音也からの新着があった。
『今日はお疲れ様。明日、なぁちゃんの家の近くで撮影があるけど見に来る?』
撮影の見学など滅多に出来るものではない。
迷いなく見学をお願いした。
『やったぁ!なぁちゃんが来るなら、俺も頑張らなきゃ!』
私が行くから……?
その言葉に「もしかしたら」と言う期待を抱かずには居られない。
そんなありもしない期待に胸を膨らませ、明日を待った。